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2012.5.10
らしくなく"おすすめの映画紹介"

映画館に行くなんて、

バブル真っ盛りのころのデートへ誘う口実や、

最近でも、娘の休日へのお付き合いとお財布代わりをするためくらいで、

自ら進んで足を向けたことなど

これまでの人生で両手に余るぐらいしかありません。

 

「今年一番の話題作」「観なければ後悔すること間違いなしの名作」

などのキャッチフレーズに食いついたことも、胸が躍ったこともありません。

当然、社会人の“一般教養”として知っておかなければならないレベルの

知識もありません。

そんな自分に、推奨する資格なんぞあるのか、

激しく葛藤しましたが、

これまでにはない印象がずっと胸から離れないので、

心の声に従うことにしました。

 

去年冬、家族旅行の際、

帰りの飛行機の中で偶然観ました。

長いフライトに加え、珍しく活字を追う気力が湧かなかったので

「普段はしないけど、まあ、映画でも観るか」

ぐらいの感覚でした。

 

大卒でないという理由で長年勤めた職場をリストラされ、

再就職のあてもなく落ち込む

中年男性の主人公は

周囲の勧めを受け、心機一転、

地元の大学に通うことを決心する。

一方、その大学には、

教えることへの情熱を失ってしまった

美人教師がいた。

若者たちに交じり、男は、初めての授業に心躍らせ

女教師は、重い足取りで教室に向かう。

人生に希望をなくした2人の出会いは

やがてお互いの生き方を大きく変えていく

 

後から知ったことですが、

ジャンルとしては「ラブコメディ」に属するそうです。

…これまた、最も自分から遠い分野です。

なぜ観てしまったのだろう。

そしてなぜ、今も心に残り、

また観たいと思うのだろう。

 

要因の一つは、舞台となる教室の授業。

人を引き付ける話し方を学ぶ「スピーチ」の授業の様子が描かれています。

その授業の進め方や内容が

しゃべりを商売としている人間としては

リアリティが満載で、

「そうそう、おっしゃる通り」「そういうやり方もあるか」と

自分を講師の立場に置き換えたり

生徒に置き換えたりしながら観るのが、

とても心地よいのです。

同時にこうした「セルフ・プロモーションの手段としてのスピーチ」を

きちんと教えるカリキュラムがあるアメリカの教育に

感心したりもしました。

 

もう一つは、

中年男性が人生を変えるために大学に通い、

ジェネレーションギャップに度々遭遇しながら、

自分の新たな未来を一歩づつ切り拓いていくその設定。

日々、中年男性の現実が身に沁みる立場として

映画のテーマである

「人生は、いつからでもやり直せる」

ことへの妄想と、甘酸っぱい希望のようなものを

信じたくなる気持ちを持たせてくれるのです。

 

予想していなかった充実感を得ることができた映画でした。

そのときは「日本では上映されないのかな」と思って

しっかり記憶の中にとどめようと思っていたのですが、

この度、全国ロードショーとなるようなので

ご紹介したいと思った次第です。

 

トム・ハンクス製作、監督、共同脚本、主演。

共演はジュリア・ロバーツ。 

「幸せの教室」(原題・LARRY CROWNE

 

時間を作って、観に行きたいという感情を

久々に湧き立たせてくれた映画です。