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2013.1.16
会社魂のたましい⑧小林かもじ店(旭川市)

創業者の名前だと思った。

賀茂冶?

鴨次?

司?

「よくいわれるんですが、どれも違います。“かもじ”です」

 

かもじとは「」と書く。

女性が日本髪を結うときに

地髪が短くて結い上げられないときに使用する

「添え髪」のことである。

美しく盛り上がった形を作り出すために

日本髪が一般的だった時代までは日常の必需品であった。

上、横、後ろ…盛り上げる場所、髪型によって様々な種類がある。

恥ずかしながら、全く知らなかった。

 

旭川で116年の歴史を持つ「小林かもじ店」は

「名前通り、かもじの製造、販売の店として創業しました」

物腰柔らかいダンディー、和風にいうなら伊達男、

3代目社長、小林和夫さんは穏やかに話す。

 

当然、かもじの需要は現在はほとんどない。

「もううちでも作っていませんし、作れる職人もおりません」

そんな小林かもじ店の現在の業態は

「美容ディーラー」。

これまた初耳のことばである。

美容+ディーラー=???

今回の取材は

困惑と、新たな世界を垣間見る期待が錯綜する。

 

美容室に訪れる客には、ほとんどその存在自体を

知られることはない、

しかし、華やかな一方で

厳しい競争の世界であるサロンのカギとなる、

美容師たちを陰で支えるサポート役・美容ディーラー。

 

小林社長とともに

美容師の方々の仕事を

客としてではなく、

間近で見せてもらった。

立ちづくめで、長時間労働の上、

手と、目と、頭(=感性)と、口(=接客力)をフル稼働させる

大変な重労働。

そして、訪れる客の

「綺麗になりたい」「美しくありたい」という

ひとりひとりのあふれるような強い情熱を、

全力で受け止めなければ

生き残れない業界。

 

「私たちが関わる、つまりお客さんは

美容師さんたちですが

私たちが見ているのは、その向こう、

美容室に来店される方々です。

そこをきちんと見られるかどうかが

私たちの仕事の基本です」

重荷に感じる様子もなく、

老舗の歴史に根差した

簡単そうだが難しいことを、さらりという。

 

日本髪から洋髪への

時代の転換の中を生き抜き、

今も旭川を中心に

道内の美容師たちを支えている

小林かもじ店の会社魂は

1月20日放送の「けいざいナビ北海道」で。