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2015.1.20
最北の街で思い出したここちよさ

「サハリンの島影を望む街」、「宗谷岬」、
「ミズダコ」、「間宮林蔵」
いろんな想像を頭に巡らせつつ
初めて行く街への車中をゆったり楽しもう…
という思いは、人生初のホワイトアウト遭遇で
どこかに置き去られ、
到着後も強風で宗谷岬でのロケも順延となり、
収録会場の稚内総合文化センターで
黙々と準備をしている間に気付けば夜もふけ、
気忙しいまま、翌日の収録へ突入。


「テレビ北海道の道北エリア開局を記念する特番」
の収録で実現した、人生初の稚内への旅は
少しばかり、いや結構なスリルを伴ってのスタートに。

「具体的でなくてもいいから、
『その土地の空気を味わった』という実感を持って、番組に臨む」
かつて生中継で各地を巡る番組を担当していたときに
自分の中で立てた目標だった。

今回の役割は
「道北12市町村をPRする、
地元の皆さんが作ったVTRのコンテスト番組」の司会。
会場には、VTRを作った皆さん方が集結する。
ということは、いつも以上に
この目標を忠実に実践して臨みたい…と思っていたが、
ほとんどそれらしい時間のないまま、収録に突入。
まあ、現実はそう自分のやりたいようには進まないものなので、
開き直ってステージに立った、そのとき。
客席から、出演を待つ舞台袖から、
あちこちから「熱」のようなものがどんどん入りこんできた。

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参加された皆さんからあふれてくるその熱は、
番組の趣旨である
“自分たちの街をPRしたい”というものだけでなく、
テレビ番組づくりの中で往々にして醸し出される
「細かい理由や動機はよくわからないけど、
一緒に同じ時間を共有して、
何かを作っていると実感したときにあふれる熱」であった。

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そこには、番組スタッフという、いわば「プロ」たちと
丁々発止のやりとりの中で作っていくのとは違う快感がある。

例えるなら、厨房の中で料理人同士が
互いの感性を研ぎ澄ませながら
技をふるって作る料理もいいけど、
みんなで河川敷に集まって、
野菜の切り方なんかおおざっぱだけど、
わいわい言いながら作る鍋とかカレーとかが、
たまらなくうまいと感じるときに似ている。

これまでの経験から、
こういう熱に包まれるときはたいてい、
“ここちいい”番組になる。

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このここちよさは、
自分がこの仕事をする上での
原点だと思っていたことであり、
その割に、最近ちょっと、忘れかけていたことでもあった。
その体験を、初めて行った稚内で味わえた。
「その土地の空気を味わった実感を持って
番組に臨む」ことはできなかったけど、
それ以上に自分にとっては本質的なことを
彼の地で学び直したような気分である。

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是非、一緒に河川敷で
鍋をつつく気分でご覧いただきたいと思います。
「テレビ北海道 道北エリア開局記念特別番組
北海道愛 キタ!自慢V選手権」は
1月23日(金)昼12時5分からの放送です。

追伸
その翌日、24日(土)の深夜、24時50分からの
「FISノルディックワールドカップコンバインド札幌大会」
では
9年ぶりにノルディック複合の実況をします。
“鳥のように雪山を飛び、鹿のように雪原を駆ける”
と評されるこの競技には、
個人的にとても魅力を感じています。
こちらは、厨房で包丁を握るいち料理人として
仕事をしたいと思います。