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2015.5.16
鳥人たち、氷上を滑る

今月14日の、どうぎんカーリングスタジアム。
(札幌・豊平区)
札幌初の通年型カーリング専用施設で
思い思いにカーリングを楽しむ人たちの中に、
どこかで見たことのある顔ぶれが。
ウインタースポーツの選手だったような、
でも、カーリングではなかったような。

 彼らは雪印メグミルクスキー部、
すなわち、スキージャンプの選手たち。
伊東大貴、清水礼留飛といった
ソチ五輪団体銅メダルメンバーらに加え、
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長野五輪金メダリストの
原田雅彦・現監督、岡部孝信・現コーチなど、
そうそうたる面々が
氷の上で、カーリングに興じています。
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…いやいや、興じているのではありません。
彼らは今週から、
身体づくりのための陸上トレーニング合宿を行っていて
その一環として、カーリングを体験しているのです。

長野五輪カーリング男子代表だった
札幌カーリング協会の佐藤浩常務理事と
原田監督が偶然に再会したことがきっかけで
実現の運びとなったのですが、
岡部コーチ曰く
「このスタジアムができたとき(2012年)から
『ジャンプのトレーニングに使えるよ』って
原田さんと話していたんだよね」

でも、カーリングがジャンプとどう結びつくのか?
原田監督が説明してくれました。
「ジャンプは“対応のスポーツ”。
2度と同じことはない中で行うものです。
判断や動きの引き出しの多さは、とても重要なんです。
そうしたものを身につけるためには
ジャンプ以外のスポーツをすることが有効なんです」

様々な、雪や風の条件の中で
時速90キロ以上で空中に飛び出し、
120m以上も空を舞った上で
鮮やかなテレマーク姿勢で着地する技術を持っている
百戦錬磨のジャンパーたちも
氷の上で、20キロのストーンをおよそ40m先めがけて投げ、
ブラシで表面を掃いて速度を調整し、
直径およそ3.6mのハウスの中の
思い通りのところに置いたり、他の石をはじいたりという行為は
全く勝手が違うようで、転倒も続出。

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「思っていた以上に難しいし、体力も使う」
「空中とは違ったバランス感覚を体験できた」
「課題にしている体幹の強さが必要なのは
共通している」
「トレーニングもマンネリ化しないことで、
集中して鍛えられる」
など、効果を実感する声が相次ぎました。

講師を務めた佐藤さんは
(今もバリバリの現役カーラーです)
「正直、みんなすごくうまいです。
初めてなのに、全ての動作がきちんとできていた。
やっぱり能力のあるアスリートは
身体感覚が高いんでしょうね」と感心しきり。

隣のシートで偶然練習をしていた
ソチ五輪カーリング女子代表の
小笠原歩選手も
「皆さん筋がいいですねー」と評していました。

日本では異種目スポーツが交流して
互いが相乗効果を図るということが
あまり積極的ではない傾向がありますが、
よく考えれば「いいとこどり」で
自分の課題を克服する近道になるし、
原田監督の言う「対応力」の引き出しを作るのは
とても効果的だと思います。

けっこうな回数を転びながらの
およそ2時間の練習を終えた選手たち。
競技人生の中で経験する何倍もの転倒をしたから、
もうジャンプで転倒する心配はないでしょう。
シーズンでの“飛躍”を期待しております。