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2015.5.26
新緑まぶしい円山で

磯田アナが「あ~~~~~~~~」と叫んでいた頃↓
http://www.tv-hokkaido.co.jp/announcer/isoda/2015/05/post-40.html
私はその“現場”で、ぶつぶつと小声で実況していた。

「北の甲子園」とも称される札幌・円山球場。
スタンド後方、陽光を浴びる山々は
生命の息吹にあふれた緑一色。
高校野球の春季全道大会に行ってきた。
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取材する回数はそう多いわけではないが、
球児たちの姿を見る度に
独特の高揚感が湧きあがる。

そのわけは、ここが「玄関」であり「原点」だから。
小学生の頃、
スポーツの魅力に初めて気づかせてくれたのが野球。
その魅力を短期間のうちに増幅させ、
“虜”にしてくれたのが、高校野球。
この扉を開けなければ、今の自分はいなかった。

北海、札幌日大、東海大四(しかも相手が北照)と
札幌勢が軒並み登場するとあって、
4千人を超える大盛況。
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年齢は、正直高め。
8割以上がいわゆるオールドファンという印象。
(平日の昼間だから、当たり前といえば当たり前か)
でも、その雰囲気が「堂に行っている」。
長い時間をかけて、自分たちなりの観戦スタイルを確立しているという
「手慣れた空気」に包まれている。
「俺はなあ、野球ファン歴60年だ!
王、長嶋、村山を後楽園でも見たんだぞ」
といきなり声をかけられて振り向くと、
その表情は満面の笑み。
心から、この時間と空間を楽しんでいることを何より雄弁に物語る顔だ。

この風景と空気を味わってみて、
改めて、「観るスポーツ」という点で
野球はゆるぎない立ち位置にいると実感する。
高校野球が始まって今年で100年。
その時間の積み重ねは、やはり格段に重い。

満席のため、
スタンド最後方で立ち見をしつつ、
気が付けば、プレーを目で追いながら、自然に口が動いていた。
「目の前で、たくさん野球を観て、
とにかくしゃべりなさい。
まず、実況に対する“飢え”を身につけること。
それが第一歩だよ」
アナウンサーを目指していた学生時代に
先輩に言われた言葉を、
無意識に実践していた。
高校生たちのあふれるエネルギーが
そうさせたのだろう。
やっぱりスポーツの現場は
“飢え”を癒す、オアシスのような場所なのだと実感した。

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もちろんスコアも書きながら 見返すのは老後の楽しみでもある

試合後、敗れた東海大四の部員たちが
球場内のゴミ拾いをしていた。
センバツ準優勝の影の力と言われた
「日常の細かなことを突きつめることが
ここぞの強さを生む」習慣を
間近で見られて、また感動。
情報としては知っていても、
この目で見て、肌で感じることが
やがて言葉や感性の引き出しになる。
これもまた「原点」だ。

球児たちの情熱は、このあと、夏の予選へ向けて更に加速する。
おじさんは、ゆっくりだけど、
こころ新たに、また次の扉を開けていこう。

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