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まだ、しゃべるんですかぁ〜!?

大藤 晋司 アナウンサー

出身地
茨城県高萩市
入社
2003年4月

大藤 晋司 アナウンサー

出身地
茨城県高萩市
入社
2003年4月

夏の始まり

大学卒業を控えた、24年前の2月。
新たに始まるプロスポーツに
卒業後に暮らす街のチームが加わることが決まり、
胸を躍らせたことを今も覚えている。
「新しい仕事ができるぞ」という現実的な期待と
「スポーツを取り巻く日本の構図が変わる」という、
願望に近い高揚感。
“Jリーグ”のインパクトは
それぐらい、若い自分には強かった。

あのときからかなり齢は重ねたけれど、
できれば同じような思いを
夏の札幌で味わいたいと念じ、会見場へ足を運んだ。

来年秋から始まる
バスケットボールの新リーグ。
長年の課題であった、2つのリーグの並立が解消されて
真のトップリーグが誕生する。
その、1~3部までの階層分けの発表が、7月30日、東京であり、
北海道から参入を申請しているレバンガ北海道は
その模様の生中継と記者会見を行った。
会場は、商業施設のアトリウム。
夏休みのこの時期に、あえてこうした場所で行うところに
球団側の強い決意と、期待が感じられた。

今回、1部に参入する12チームが発表され
そこに、レバンガの名はなかった。
リーグ側が設定した、1部参入のための運営面の条件を
満たすことは今回はかなわなかった。

「北海道のバスケットボールの灯を消さない」
その信念のもと、
現役選手と社長業を兼務する、
日本のバスケット界のレジェンド、45歳の折茂武彦選手も
無念の表情でこの発表を聞いた。

夏の始まり①.jpg

でも。これは試合終了のブザーではない。
8月末に、今回確定しなかった
所属分けの最終発表がある。
残り1カ月で、課題をクリアすれば
あと4チーム前後とされる、
1部リーグ入りへの切符を手にするチャンスはある。

「日本のバスケットが世界に打って出るためのリーグ」
Jリーグ創設時に全く同じコンセプトを掲げていた
川淵三郎・新リーグチェアマンは、
今回の会見中もこう強調していた。
バスケットボールというスポーツの潜在能力を考えれば、
それは決して妄想ではないと思っている。
24年前に自分が感じた高揚感と同質のものを感じるし、
あれ以降、様々なスポーツを取材し、
実況した経験も合わせた実感である。

だからこそ、トップリーグ元年は1部で迎えたい。
初めての年ならではの“熱”の中にいることで、
プレーヤーにも、ファンにも、盛り上がりのスイッチが入っていく。
そしてそれは、バスケットとは一見無関係な人や
他のスポーツ界をも刺激し、
様々な相乗効果を生んでいく。
名古屋でJリーグ元年を迎えたときに、肌で感じた経験だ。

あと1カ月。
1部参入に向けて、レバンガの夏の戦いが
きょうから始まった。
コートでボールは動かないけど、たくさんの汗が必要な
熱い夏の戦いだ。
“あきらめたら、そこで試合終了ですよ”
1か月後、歓喜に包まれるそのときを信じて―。