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2015.8.21
冬にまつわる、夏の恒例

あたかも夏の風物詩のように、
毎年この時期に行われている、
冬にまつわる、ある発表がある。

北海道カーリング協会による
「カーリングオブザイヤー」の発表と表彰。
簡単に言えば、北海道のカーリング界の
前シーズンの“MVP”を披露するものだ。
縁あって毎年、一票を投じさせてもらっている。
 

今年選ばれたのは
男子が「札幌」、女子が「北海道銀行フォルティウス」。

札幌はスキップの阿部晋也選手が出席。
かつて「チーム青森」、そして日本代表のコーチとして
トリノ、バンクーバー五輪を経験した。
2年前に現役に復帰し、「札幌」を結成。
今年の日本選手権では2位と躍進した。
3年後の平昌に向け、
「北海道から、男子も五輪出場を」に期待がかかるチームだ。

阿部晋也.jpg

北海道銀行は、ただいま合宿のまっただ中ということで
リザーブの林弓枝選手がチームを代表して出席した。
日本選手権を制し、国内史上初開催となった
女子世界選手権(札幌)に日本代表として出場。
過去最高成績となる6位となったのだから
文句なしの受賞だ。

道銀①.jpg

そして今回は、「特別表彰」も設けられた。
十勝の池田町在住、牧野成三氏。御年91歳。
85歳まで現役のカーラーとしてプレーした。
これ以上ない「レジェンド」だ。

牧野さん②.jpg

北海道のカーリングというと、
五輪での活躍や「シムソンズ」という映画の影響もあり、
北見市常呂町の印象が強いが、
(今回表彰された男子の阿部選手も、女子の北海道銀行チームも常呂出身)
実は日本におけるカーリングのルーツは
十勝の池田町である。
1977(昭和52)年、池田町にカナダからカーリングが初めて紹介され、
いち早く、町民たちに溶け込んでいった。
その3年後の80年、池田町で行われた講習会に
常呂町(当時)から参加した数人が町にカーリングを伝え、
現在の「カーリングのまち」が始まった。
牧野さんは、池田町カーリング協会創設時のメンバー。
つまり、そのまま日本のカーリングの歴史という方である。
「自分が同じ動きをしても、二度と同じストーンの動きがない。
それがカーリングの魅力です」
と語る牧野さん。
こうした偉大な先達にスポットが当たるのは、とても意義深いと思う。

さらに、特別表彰がもう一つ。
帯広のシニアチーム「TOKACHI」。
日本シニア選手権男子の部で3連覇を果たし、
世界シニア選手権にも出場した。
競技寿命が長いカーリングという競技では、
世界的にはシニアのレベルは恐ろしく高く、
その壁はとても厚い。
その壁に敢然と挑み、
「第一線でやらなければ意味がない。目標は70歳で五輪出場。
70歳まであと7年。虎視眈々と狙います」(スキップの佐藤真康選手)
TOKACHI.jpg

意気軒昂という表現以上の、
「現役のギラギラした空気」を漂わせるメンバーたちを見ると、
改めて、カーリングというスポーツの懐の深さを実感する。
こういう人たちが表彰という形で注目されるのも
また意義深いと思う。

グループショット.jpg

まだ日中は汗ばむし、半袖で過ごしたい陽気だけど、
カーリング場の、キュッと引き締まる冷気が
ちょっと恋しい、8月の昼下がりだった。