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2015.12.23
一番の日に、一番の場所で

12月22日は、今年の冬至。
1年で最も昼が短い、
ということは、1年で一番早く、夜がやってくる日。
そして、この日を過ごした
根室、納沙布岬は、本土最東端の岬。

納沙布岬.jpg

本土で最も日の出が早く、
そして、一番早く夜が来る場所だ。
(実際には地軸の傾きの関係などもあり、
納沙布岬が一番日の出が早いわけではなく、
また、冬至=一番日の入りが遅い、というわけでもないそうだが、
そこはまあ、大目に見ていただいて)

なんという偶然。なんという幸運。
岬に立つ「北方館・望郷の家」に到着したときから、
「一番早く夜が来る場所」で「一番昼間が短い日」が体験できるという
そんな特別な一日の始まりに、心が沸き立つ。
この日が「TVh道新ニュース・根室スペシャル」の放送日で、
ここが中継場所である巡りあわせに感謝しつつ
まずは最東端到達の証を。

最東端到達.jpg

1937年に日本によって建てられた灯台も
はっきり見ることができる。

貝殻島.jpg

そう、ここは北方領土と「隣り合わせ」の場所。
水晶島をはじめ、これまで映像や資料でしか見たことのなかった
北方領土を初めて肉眼で見ると、
今まで頭の中でしか理解しえなかった
「領土」という問題を
身に迫ってくる感覚が湧く。

北方館の中にある、テレビ望遠鏡で海を見ると
ロシアの監視船の姿がくっきり見えた。
監視船.jpg

これが、この地の日常。
そして、日本の日常。

日本で一番早い夜が来たそのときは、
午後4時20分からの生放送に向けての準備の最中で、
特別な感慨を抱く間もなく、
「ああ、夜になっちゃったね」
とつぶやいただけで過ぎてしまったが、
番組自体は、
ジャズの街・根室を代表する地元バンド・EPJOの生演奏あり、
EPJO.jpg

北海道新聞根室支局の水野薫記者(自身が島民二世)
の報告ありと、盛りだくさんで終了。
水野さん2S.jpg

番組を終えると、岬の夜はすっかり更けていた。
外は真っ暗で、岬と海と境目すらわからない、漆黒の闇。
日本で一番長い夜は、まだまだ宵の口、と思いつつ、
漆黒の世界に消えている北方領土に向けて
こんな言葉が浮かんだ。
「どんなに長い夜でも、明けない夜はないよな」
一番長い夜の日の、一番夜が長い場所。
人生初の、根室、納沙布、東の海。
じんわり、心に沁みた。