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2016.11.12
欲望への「スイッチン!」

荒天の予報の中
束の間に表れた虹を車中で見て、
虹.jpg

若手だった頃の心の高ぶりが、少しだけ蘇る。
落ち着け。そんなテンションは、今日は必要ないぞ。

向かっていたのは、余市。
11/12放送の「スイッチン!」のロケである。
情報番組のロケなんて、何年ぶりだろう。
しかも今回の目的は
「寿司が食べ放題の店」の紹介だとか。
血が騒ぐ。若手の頃の。
「次のロケもあいつでお願いします」
と言ってもらえるように、
的確に情報を伝えつつも、
自分にしか出せない特徴を出そうと
遮二無二なっていた頃の。
様々なジャンルがある中で、
「食レポ」、しかも「食べ放題」系のものは、
特に、そうした野心に火をつける格好のロケのテーマ、

であった…。そう、過去系であるはずなのだ。
もう、そういうギラギラしたことをする、キャリアではない。
いい年なんだから、
落ち着いて、適切なコメントと情報を伝える、
そこに徹していく立場のはずだ。
と自分に言い聞かせているのに、
心の奥のほうから沸々と湧いてくる熱情。
「寿司」「食べ放題」という言葉に込められた
抗いがたい力なのか。

かくてたどり着いたのは
「鮨 ブッフェダイニング ふじ」。
店頭リポ.jpg

積丹を本店に道内に5店舗を構える
「ふじ鮨」の中で唯一の、ブッフェ形式の店。
すなわち、単なる寿司食べ放題ではなく、
和、洋、中の様々なメニューも並んだ上での、
選び放題、食べ放題の店である。

紹介①.jpg

では、こうした情報を適切に入れ込みつつ、
落ち着いた、大人の店紹介リポに徹するか…
と思案しているとき、ディレクターからの指示が。
「大藤さん、実況風のアップテンポなしゃべりで、
途中に『お寿司にかんするうんちく』を織り交ぜながらお願いします」

そうきますか。
寿司取る前.jpg

何かが弾けてしまった。
食べる直前.jpg

食べてしまった。
寿司食べる①.jpg

寿司食べる②.jpg食べる③.jpg

しゃべってしまった。
しゃべる①.jpg

しゃべる②.jpg

ちなみに、放送で使用されたうんちくは
①寿司が庶民に広がっていった江戸時代、
実際に食べなくても、その店が人気のある店かがすぐわかる
あるものがありました。今でもよくみかけるそのあるものとは…
「のれん」。
当時の寿司屋は今でいう「ファストフード」。
手軽に、短時間で食べるもので、
出された寿司を手づかみでかぶりつき、
またおしぼりなどもなかったので、
客はのれんで指を拭きつつ店を出て行ったので、
汚れたのれんほど、
多くの客が来ている、すなわち人気店の証だったそう。

②同じく江戸時代、寿司は庶民だけでなく、
武士も大いに嗜んだそうですが、
その立場上「食べるがはばかられる」ネタがあったそうな…。
それは「コハダ」。
コハダは別名「コノシロ」。
これが「この城」に通ずるということで
「殿様に仕える武士たるものが、その殿様が住む
“この城”を食べてしまうとはけしからん」
とのことで、食べなかったとのこと。

面白くなったので、ロケのあともう少し調べてみると
こんなことがわかった。

③寿司屋のお茶を飲むときの「湯のみ」が
普通のものより大きいのにも理由があり、
やはり江戸時代のことだが、
当時、寿司屋というと屋台が中心で、
職人が一人で切り盛りしており、
何度もお茶を代える手間がもったいないという事と、
当時は箸で食べる習慣がなく、おしぼりもないので、
客が食べ終わったあとに、
湯のみに手を突っ込み、残ったお茶で手を洗うために、
大きい湯のみが重宝された。
その後客は店を出るとき、濡れた手をのれんでふいたので
①の話となった。

④握り寿司、いわゆる江戸前寿司のことを
「生寿司(なまずし)」というのは、
北海道の方言で、共通語ではない。
また同じ「生寿司」と書いて「きずし」と読むものもある。
これはいわゆる「ひかりもの」、
サバや鰆などを酢でしめたものを指す。
西日本で使われる言葉で、
「すし」とついているが、実は切り身そのものを指す。
つまり「きずし」=しめさば単品。
ということは、しめさばの寿司は「きずしずし」なのか、
いや、関西ではそれは「鯖寿司」とか「バッテラ」という。

うんちくで腹いっぱいになった気分でもあり、
もっともっと寿司が食べたくもなり、
もっともっと、しゃべりたくにもなり…。
番組タイトルは「スイッチン!」ということで
アナウンサーという商売をするものとして、
食欲、知識欲、しゃべりたい欲―。
いろんな欲望に「スイッチの入る」
ロケとなりました。
しめ.jpg

…おあとがよろしいようで。

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