- 09.05.29
- 中田翔急成長の影に「元全日本の4番」あり
入団2年目にして、ついに1軍デビューを果たした怪物・中田翔。
初のスタメン出場となった5月23日のヤクルト戦では初打席初ヒットを記録。
初得点となるホームも踏むなど、一軍の舞台で改めて大物ぶりを見せつけた。中田のデビュー戦前夜、二軍の遠征で北海道を訪れていた水上善雄二軍監督に怪物の近況を聞いた。
開幕直前、二軍に降格した中田はファームでイチからフォーム改造に乗り出したという。
昨季限りで現役を引退したあの清原和博氏を思わせる、威圧感あふれる構えは一変。
猫背でグリップを胸の辺りまで下げる、見た目には2番打者のような小さな構えにモデルチェンジした。効果はテキメンだった。
「(フォーム改造)以前の翔はピッチャーが投げた瞬間から打ちにいってる感じだったのが、今はだいぶ余裕が出てきた」と水上監督が分析するように、ギリギリまでボールをひきつけることが出来るようになった分、ボール球に手を出さなくなり、打つべきボールが打てているという。
イースタンで本塁打、打点の二部門でトップに立ちながら、打率も3割をマークしている「安定感」がその証拠でもある。ファームで中心的に指導にあたったのが、昨季まで一軍の打撃コーチを務めた中島輝士コーチ。アマ時代は「全日本の4番」としてソウル五輪に出場。
中田と同じく、ドラフト1位で日本ハムに入団した。水上監督が「同じ4番タイプの(中島)輝士が翔に厳しく言ってくれるので、今季は自分がうるさく言う必要がない。とってもいい環境」という言うとおり、中田の長距離砲としてのプライドをうまくくすぐりながら、まずは将来を見据え、確実性を植えつけようとする中島コーチの手腕が、力一辺倒だった中田の打撃を変えた。
チームは今、交流戦の真っ只中。
セ・リーグの主催試合では守備に不安を抱える中田の出番は代打に限られるなど、状況はなお厳しい。
それでも、プロ初ヒットを放った23日の試合後、報道陣からの「プロ初打席で初ヒット。やっぱり運を持ってる?」との質問にも一切浮かれた様子のなかった中田。
打撃だけでなく、プロの選手としても成長を続ける20歳の怪物が、シーズンいっぱい一軍の舞台で、プレーを見せてくれることを願ってやまない。



