ポロトコタンの夜【矢部順子】

先日、白老町に行ってきました。目的は、高級和牛の「白老牛」を食べることと、アイヌ民族の文化や生活を伝える施設、「ポロトコタン」めぐり。数年前から夏に実施されている「ポロトコタンの夜」に、ぜひ行ってみたいと思ったのです。厳かな雰囲気の中で、白老のアイヌ民族に伝わる伝統的な祈りや歌などを体験できるイベントです。

当日は、近所に住むカラーセラピストと調理師の夫妻と一緒に、3人で札幌から南へ下道をドライブ。約2時間半で到着し、現地で、苫小牧に住む教員の友人と合流しました。

この日は晴天に恵まれ、森林浴日和! そこで開演までの間、4人でポロトコタン周辺の森を散策することに。写真で見る限り、遊歩道があって歩きやすそうだったので、軽装で山に入っていきました。ところが、地図に示された道は歩道ではなく、笹や木が生い茂る「けもの道」! 遊歩道は違う場所だったようです。でも、せっかくここまで来たのだから・・と1時間以上も登山しちゃいました。戻ってきた頃には、もちろん汗だくでしたが・・・。

予想以上の腹ごなしになってしまった散策を終え、お待ちかねの白老牛の店へ。奮発して「サーロインステーキ(上)」や「特上サガリ」「レバ刺し」などを頼み、炭火で焼きながらじっくり堪能しました。それにしても、初めて食べる白老牛の柔らかさと言ったら! 甘みもあって、塩コショウだけでも十分美味しかったです。

お腹がいっぱいになった後は、いよいよポロトコタンへ。夕暮れの湖畔に映る昔の家々は、とても赴きがありました。会場のかやぶき屋根の中には囲炉裏があり、火がパチパチと燃えています。幻想的な雰囲気の中で始まった、アイヌの長老の祈り。訪れた人たちは、息を呑んで、ひとつひとつの動きを見つめていました。口琴の一種であるアイヌ楽器「ムックリ」や歌、アイヌ伝統の踊り、そしてアイヌの食事(乾燥させた鮭)の試食など。あっと言う間の1時間でしたが、伝統的なアイヌ文化を近くで感じることができました。

白老の素敵な思い出を持って家に帰ってから気づいたのは、焼肉と囲炉裏でいぶされたスモーキーな体だったのでした・・・