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2019.05.25 放送
特 集馬産地 日高にインド人!?

Still0522_00000.jpg今週のMCは鈴木ちなみさん。
今回のテーマは「競馬に携わる人材」についてです。コメンテーターの平本教授は北海道地方競馬運営委員会の委員を務めていて、ちなみさんも乗馬の経験があるとのこと。







Still0522_00002.jpgまずは門別競馬場。道営ホッカイドウ競馬に所属する調教師は現在36人。その3割が去年から、インド人を厩務員として雇っている。その数約20人。外国人が競馬場で厩務員として働くのは道営ホッカイドウ競馬が初めて。インドは競馬が盛んな国。競馬場で働くインド人は騎乗技術や馬の知識を持った専門職の在留資格を取得。腕は確かで働きぶりも真面目、即戦力として活躍している。




Still0522_00003.jpgホッカイドウ競馬の元騎手でもある齊藤正弘調教師。8年前に調教師に転身し、今年2月からインド人3人を雇っている。「最初は風習や文化の違いがあって戸惑ったと思う。扱うものが動物なのでスムーズに(馬を)扱ってもらえる」と話す。一方で言葉の壁も。彼らはヒンディー語しか話せないため、コミュニケーションにはスマホの翻訳アプリや、手のひらサイズの翻訳機は手放せない。




Still0522_00004.jpgインド人の3人は競馬場内にある3LDKのアパートで共同生活している。食材は週1回、齊藤調教師の車で買い出しに行き、料理は協力してつくる。インドにいる家族とはスマホの通話アプリで毎日話すが、寂しさを感じることもあるという。家族と離れてまで日本で働く決意をしたことについては「馬の仕事はどこの国へ行っても学ぶことがある。ここで訓練し、馬の技術を高めるために学んでいる」とのこと。




Still0522_00005.jpg日本で働くことを希望するインド人は増えているという。受け入れを仲介するネパール人のギリ・ビシュヌさん(苫小牧在住)は「日本の馬の業界はすごく給料がいいし、仕事も安定している」と話す。インドはジョッキーレベルでも月の給料が7万円ぐらいだが、日本に来ると20万円前後なのだとか。この男性は毎月1回、インド人のために日本語教室や生活相談などに応じる研修会を開いている。




Still0522_00006.jpgインド人の増加はデータにも表れている。日高地方で外国人登録しているインド人の数は今年4月末時点で266人。特に人口およそ1万2千人の浦河町では、外国人登録者数237人のうちインド人は約6割に上る。実は5年前までインド人は0人で、フィリピン人やマレーシア人らが中心だった。その後、入ってきたインド人の働きぶりが評判になり、急増したという背景がある。




Still0522_00009.jpg浦河町にある競走馬の育成牧場「吉澤ステーブル」は、即戦力として牧場で働ける厩務員の養成施設を2年前、滋賀県に開設した。全国から研修生を受け入れ、実習と講義を通じて馬の調教技術を6カ月間かけて教えている。民間の牧場が、日本人スタッフの育成施設を開設するのは全国でも珍しいという。





Still0522_00011.jpg牧場が人材の育成施設をつくった理由について、齋藤昭浩 湖南馬事研修センター長は「外国人労働者が多く入って何とかやっているが、日本人の馬取扱者が増えてほしい」と話す。先月から東京と大阪出身の5人の研修が新たにスタートした。そのうち4人は二十歳前の女性だ。






Still0522_00013.jpg浦河町には競走馬育成のプロの技術者を養成する公的な施設もある。浦河町郊外にある公益財団法人軽種馬育成調教センター(BTC)。研修は4月から1年間。これまでに500人以上の技術者を育て、道内外の牧場などに輩出。今年は15~20歳の16人が研修を受けている。白木正明 専務理事は「技術的に外国人が劣ることはないが、日本人の方が長い年月にわたって就労できる」と話す。研修生の7割は全くの初心者だが、1年経つ頃にはコースで騎乗できたり、うるさい馬をおとなしくさせたり成長しているのだとか。


Still0522_00012.jpg番組の最後には鈴木ちなみさんの一言。ちなみさんの感想のフルバージョンは、YouTubeなどのSNSで公開します。

【取材先】
門別競馬場、浦河町役場、吉澤ステーブル、湖南馬事研修センター、公益財団法人 軽種馬育成調教センター