tvhテレビ北海道

番組表番組表

まだ、しゃべるんですかぁ〜!?

大藤 晋司 アナウンサー

出身地
茨城県高萩市
入社
2003年4月

大藤 晋司 アナウンサー

出身地
茨城県高萩市
入社
2003年4月

残暑の中、読み聞かせin新琴似保育園

思い出してみると、

夏とか冬とか関係なく

新学期というのはいつも

ちょっとしたけだるさに包まれていた気がする…

などと回想に耽りながら

今回「読み聞かせ」におじゃましたのは

札幌市北区の新琴似保育園。

“動く絵本”チルビーのスタッフの方々と一緒に実施しました。 

事前の打ち合わせ、リハーサルの最中、保育園の方から

「会場、暑くないですか?」と気遣いの声。

「大丈夫ですよ、扇風機も回ってますし」

「でも、子どもたちが入ってくると、あまり役に立たないんですよ」

…そうだった。

子どもは常に、熱を発しているのだ。

何人来るんだ?50人?60人?

DSCF6444.JPG 

集まったのは、100人を超える子どもたち。

扇風機の風は、もう届かない。

 

「チルビー体操」からスタート。

ステップして、ジャンプして、

「そこまで目いっぱいしなくても」

というぐらい、彼ら、彼女らは全力で体操する。

しかも、3回連続。

 

 DSCF6434.JPG

 

容赦なく、熱が放射されていく。

というところで、「しんじおにいさん」の出番。

 

今回は事前の説明から、

スタッフ全員が

「おにいさん、おねえさんたちがきてくれました~」と、

紹介されてしまったので、

連帯責任というか、意志統一がされていたので

開き直って、おにいさんが登場です。

 

 

DSCF6443.JPG

 

今回読んだのは

宮西達也さんの「おまえ うまそうだな」。

「大藤さんに合う作品だと思いまして」と

チルビーのスタッフが選んでくれたものでした。

アンキロサウルスとティラノサウルスの物語。

恐竜のお話なので男の子たちはひときわ目を輝かせ

聴きはじめます。

 

 

DSCF6441.JPG

 

親子、特に父親と息子のつながりと旅立ちを描いた

この絵本は実に奥が深い。

予め家で練習のため読んだのですが、

しんみりとした気持ちになり

「これは、当日はあぶないな」と思っていたら、

案の定、読み進めるうちに感情が高ぶり、

ちょっと胸にこみ上げるものが…。

 

DSCF6442.JPG

 

ふとみると、子どもたちの中にも

ちょっと眉をハの字にして、

少し目を潤ませている(ように見えた)子の姿も。

 

ワクワクから、ホロリへ。

こんなに感情を動かす作品はお見事です。

読み終わったときの拍手は

明らかにこれまでの読み聞かせのときのものとは

違っていました。

 

読み手のみならず、会場全体が

宮西さんの世界に染まり、

このときだけは、暑さを忘れていました。

 

  DSCF6439.JPG

 

後片付けを済ますと同時に

額や背中が再びじわっと湿り出す。

別のイベントで来ていた着ぐるみに

子どもたちは大喜びで群がっていましたが、

着ぐるみの身を案じたくなる暑さが

戻ってきたところで、お別れでした。

 

「心頭を滅却すれば火もまた涼し」ではありませんが、

感情移入はときとして体感温度を変えてしまうのかと

思い知った経験でした。

 

新琴似保育園のみなさん、

素敵な絵本を用意してくださったチルビーのスタッフのみなさん、

そして大切なものを教えてくれた宮西さん、

ありがとうございました。