tvhテレビ北海道

番組表番組表

まだ、しゃべるんですかぁ〜!?

大藤 晋司 アナウンサー

出身地
茨城県高萩市
入社
2003年4月

大藤 晋司 アナウンサー

出身地
茨城県高萩市
入社
2003年4月

「伝える」楽しさへようこそ、そしてありがとう

何かとせわしない年の瀬。
目の前のことに流されがちなこの時期に
今年も、自分の仕事を見つめなおす
大切な機会をいただきました。

TVhのお隣にある中央小学校のミニ児童会館が
絵本の朗読の催しを行うことになり、
昨年に続き、
そのお手伝いをさせていただいたのです。

絵本といっても、素材はDVD。
チルビーの「動く絵本」を使います。
ということは、読み手のタイミングで話が進むのではなく
読み手が映像に合わせていかなくてはいけない。
これは、朗読としては結構難しい作業。
テレビのアナウンサーにとっては
日常的な仕事ではあるのですが、
だからこそ、難しさは身に染みてわかります。

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品は「りんごがひとつ」(作・絵/ふくだすぐる)
使われている言葉は決して多くはないですが、
それだけに、細やかな表現の違いで
印象がかなり変わる、なかなか奥の深い絵本です。

高学年の女の子2人のチャレンジに、
本番に向け、2回の練習をしました。
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ず1回目。
最初に伝えたのは2つ。
ひとつは、じょうずに読もうと思わないこと。
もう一つは、テストのように、
正解とか間違いのあるものとは思わないこと。

じょうずに読もうとか、正解の読み方をしようとすると
書いてあ文字を追いかけてしまって、
語りかけるようには聞こえないよ。
それから、できる限り一人で読むのではなく、
誰かに聞いてもらうこと。
「こうやったら伝わるかなあ」って考えて、
自分なりに工夫して、読んでみて、
聞き手に感想を聞いてみる。
聞いているほうは「こんな感じ」とか
「あそこはこうしてみたら」とか
自分の感想を伝える。
これを繰り返していって、
「より伝わる」読み方を考えていってね。

そこから、音の高い低い、スピードの速い遅い、
ちょっと間をあけてみる、など、
具体的な語り方の工夫を実際にやってみました。

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柔軟な頭と、まっすぐな気持ちの力は素晴らしい。
1度のヒントで、10ぐらいのイメージが
声になってあふれていきます。

1週間後。
彼女たちの台本には
蛍光ペンや赤のペンのたくさんの書き込みが。
読み聞かせというものに
きちんと向き合ってくれたことに感激しつつ、
次なるステップに挑戦。

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文や言葉の「語尾」の表現を意識してみよう。
音を「伸ばす」か、「止める」か。
「落とす」か、「上げる」」か。
日本語は、文の最後で意味が決まるルールのことば。
だから、最後の音は、聞き手の耳にすごく残る。
そこの部分の工夫は、語りの幅を広げます。

続いて、
登場人物の感情を表してみよう。
怒っているライオンやぞうのセリフをどう読もう?
追い詰められているさるの気持ちをどう言おう?
難しい課題に
まっすぐに向き合う姿、
そしてその成果が具体的な音となって
教室に響くのを感じて、
言葉でものを表現することの楽しさを
こちらが呼び起されます。

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先週の土曜日の本番は
こちらも生放送中だったので
聞きには行けなかったのですが、
「しっかり、落ち着いてやってましたよ」と
報告をいただきました。

チクタクまつり本番.jpg

本番の緊張感と、
聞き手のこころが
自分の言葉で動いたと感じたときの喜び、
そしてそのときを迎えるまでに、
あれこれ工夫をし、
それを声に出しているときに感じる
くすぐったいような楽しさ。
その感覚を少しでも
身体の中に残してもらいたいと思います。

これからの時代を生きる君たちには
「発信力」は、とても大切なものだと思います。
技術としての発信力ではなく、
相手のこころを思い、
発信そのものを自分自身が楽しめる
そんな未来の力につながれば
おじさんはうれしく思いますし、
おじさんも、その気持ちを持ち続けたいと思っています。

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