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まだ、しゃべるんですかぁ〜!?

大藤 晋司 アナウンサー

出身地
茨城県高萩市
入社
2003年4月

大藤 晋司 アナウンサー

出身地
茨城県高萩市
入社
2003年4月

志、友と歩む春

4月も、下旬。
会社のすぐ近くにある小学校に登下校する
大きすぎるランドセルを背負った新一年生の顔にも、
少しだけ新しい環境に馴染んだ
ゆとりのようなものの芽生えが窺える。

 

新生活を始めた人たちは、
緊張感から少し解放され、
「ああ、確かに一歩、前に踏み出したな」
と改めて実感できる、
その姿を見る側にとっても、
肩の力も、表情も緩む季節。
そんな折、新聞のある記事に、引き寄せられた。

 

今月19日、
日本女子スピードスケート界のエース・
小平奈緒選手(相沢病院)が
五輪シーズンに向け本格始動した練習を
長野市内で公開。
その場で、ある報告があった。

 
今月1日から、
彼女をサポートするアシスタントスタッフとして、
中札内村出身の石澤志穂さん加わった、というものだった。
小平新聞記事.jpg

小平選手(中)、石澤志穂さん(右)、左は結城匡啓コーチ

 

澤さんは、女子3000m、5000mで
バンクーバー、ソチと、2度の五輪に出場した
元トップスケーターだ。

 

実はソチの直前に、
ニュース番組の企画で
石澤さんを取り上げさせていただいた。

https://www.tv-hokkaido.co.jp/announcer/daito/2014/02/post-68.html

 

とびきりの前向き思考で
幾多の困難を「飛び越えて」、
(乗り越えて、より、この言葉のほうがふさわしい)
五輪に出場した姿に、強い感銘を受けた。
石澤さん現役②.jpg石澤さん現役①.jpg

現役当時の石澤さん(画像提供・トランシス)

 

石澤さんと小平選手は、同い年。
中学時代に競技を通じて知り合い、意気投合。
高校時代は長野と北海道で文通をかわし、
バンクーバーでも、ソチでも同部屋だった。
高みを目指したものにしか分かり合えない境地を
真に共有できる間柄。
「肝胆相照らす仲」というべきか。

 

石澤さんは現役引退後、
イギリスに半年間留学、
そして帰国後の2015年4月に
帯広大谷短大に入学し、
生活科学科栄養士課程で
栄養士やフードスペシャリストなどの資格を取得して
この春卒業。
十勝中体連のコーチも並行して行うなど、
「セカンドキャリア」を着実に積んでいた。

 

小平選手は昨季、
世界距離別選手権優勝、
W杯も8千全勝で、2度目の種目別優勝。
世界スプリント選手権では
総合で世界記録を樹立して、もちろん優勝。
500mではほぼ無敵といっていいシーズンを過ごし
来年2月の平昌五輪の「金メダル本命」となった。

 

そんな小平選手が、
五輪前の大事なシーズンを過ごす上で
石澤さんをパートナーとして選んだ。
小平選手が石澤さんに自らオファーを出し、
所属の相沢病院がバックアップの元、
1年間、競技生活をサポートするスタッフになることになった。

 

「まだ2週間ですけど、
ずっと長くやっているような感じ。
サポートしてくれることが、
こんなに助かることなんだと実感している。
最強のサポーターが付いているので、
自分を一段も二段も
磨き上げることができるんじゃないかと思う」
記事の中で、小平選手はそう話していた。

 

読後、久々に石澤さんに
連絡を取らせていただくと、
こんな言葉をいただいた。

 

「小平選手の信念は
『日々、自分越え』。
その姿を見てきたものとして、
彼女の目標に添えるよう、
微力ですが、私も全力でサポートしていきたいと思っています。
彼女のおかげで
刺激のある毎日を過ごせる事に感謝しています。
世界一のアシスタントスタッフになれるよう
頑張りたいです」

 

彼女の名前の一字の通りの
「志」のある人生。
これに触れるほど、
力をもらえるときはない。
身体の心から
元気が湧く知らせでした。

 

2018年2月、平昌。
そこに、ともに歩む二人の集大成がある。
光り輝く冬になりますように。
心より、健闘をお祈りします。

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