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まだ、しゃべるんですかぁ〜!?

大藤 晋司 アナウンサー

出身地
茨城県高萩市
入社
2003年4月

大藤 晋司 アナウンサー

出身地
茨城県高萩市
入社
2003年4月

晩秋に味わう、「儚さ」の美学

個人的に、札幌の魅力が詰まっている光景は

紅葉だと思っています。

200万人近い人口がある都市でありながら

自然と調和していて

四季の変化を暮らしの中で身近に感じられる、

この街の特徴の代表的な景色だと思います。

  

その紅葉シーズンの終盤、

「5時ナビ道新ニュース」の企画で

「札幌のバンクシー」と呼ばれるアーティストの

創作活動に同行させていただきました。

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「バンクシー」といっても

政治的メッセージが込もっているわけではなく

札幌の「ありのままの自然」を生かした

ほっこりとした気持ちにさせてくれる

ナチュラルな作品を

公園のちょっとしたスペースに制作しています。

神出鬼没なのは共通していますが。

  

使うのは葉っぱや枝、木の皮など、

そこに落ちているものだけ。

植物由来のチョークや木炭などで

それらに色付けを施すことはありますが

あくまで「自然に還るものだけ」で創ります。

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そしてそれらはあっけなく、自然に還ります。

風が吹いたら、崩れます。

雨が降っても、崩れます。

犬が歩いても、崩れます。

人が踏んでも、崩れます。

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そんな「刹那」に存在する芸術。

美術の世界では「エフェメラル・アート」というそうです。

エフェメラルとは「儚い」という意味。

儚いからこそ、創っている時間が楽しい。

出来上がった瞬間が、楽しい。

そこを立ち去るときが名残惜しく、

切なく、また愛おしい。

  

子どものころの公園の砂遊びに近い感覚でしょうか。

夢中でお城を作っても、次の日砂場に来てみると

跡形もなくなっている、あの体験。

この世に「形あるものはいつか壊れる」無常と

「永遠とは存在しない」という真理に気づく。

...そんな感受性の強い子どもじゃなかったけど。

   

「札幌のバンクシー」こと、田中宏美さん

(自称ではなく、SNSで話題になった際に

フォロワーの方たちがつけたニックネームですが)

の作品は、そんな感覚を呼び起こさせてくれました。

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今年の札幌の秋の風景とともに

心に焼き付く体験となりました。

【こちらで配信しています】↓

https://www.youtube.com/watch?v=leLYvucBtLA&t=24s

 

余談その①

我が家の犬も、そんな心境を味わったか、味わわなかったか。

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...味わってないよなあ

  

余談②

札幌の紅葉の中でも、私が特に好きなのが、この光景です。

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