tvhテレビ北海道

番組表番組表

まだ、しゃべるんですかぁ〜!?

大藤 晋司 アナウンサー

出身地
茨城県高萩市
入社
2003年4月

大藤 晋司 アナウンサー

出身地
茨城県高萩市
入社
2003年4月

初夏の「聖地」にて

白一色に染まった中で
時に指先がしびれるような寒さに耐え、
常に首を上に向けつづけた結果、
若干の肩のこりを感じつつも、
凛とした冷たい空気を切り裂きながら
空中に飛び出していく選手たちの
勇気と技術を味わう。
それこそが、スキージャンプの
由緒正しい見方である。

しかし、若々しい緑につつまれた中で、
時折吹く微風を心地よいと感じながら見る
サマージャンプもまたいい。

23日、札幌で行われている
全日本ジャンプチームの合同合宿に行ってきた。

ソチで2つのメダルを獲得し
16年ぶりに「復活」を遂げた日本ジャンプ陣の
次なる目標は、
もちろん、3年後の平昌五輪での連続メダル。
そしてもう一つは、選手層の底上げ。
結果を出さなければいけなかったソチまでの道程では
どうしても後回しになってしまった、
しかし、競技水準の根幹を成す重要なテーマだ。

宮の森①.JPG

今年のTVh杯で初優勝した馬淵源選手。大学を卒業し、この春から社会人

所属チームの垣根を越え
ジュニアとシニア、男子と女子がまさしく「合同」で
合宿を行う意味は、そこにある。

今月6日に43歳になった「レジェンド」葛西紀明から、
4月に高校生になったばかりの選手まで
40人近くが集まっての合宿は、
まさに「チームジャパン」結束の場所である。

ジャンプ取材を始めて13年目にして
初めて、宮の森ジャンプ競技場のスタート地点に上がった。

宮の森②.JPG

薄曇りではあったが、
初夏の空気の中で見る札幌の街並みは
大倉山とはまた違う風情を醸していた。

何より、札幌五輪で
3つの日章旗がはためいた
日本スポーツ界の「聖地」から眺める
自分たちが住む街の姿は、
何気なく過ごしてしまう日常の風景にはない
特別な感慨があった。

この空は、世界につながっている。
彼ら、彼女らは
いつもそんなことを思いながら
ここから飛び出していっているのだろうか。

この場所で、冬景色の中を翔ぶ
鳥人たちの誇り高きフライトを
また、目に焼き付けたいと思った。

もう少し、夏を味わったあとでいいけど。