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2015.10.10
予定調和にあらず。

「今シーズンの目標をお願いします」
たいていこれは、
アスリートへのインタビューの最後に聞く「締めくくりの質問」で、
「優勝です」「表彰台に立つことです」
「ベスト8です」「プレーオフ進出です」
「全国大会に出て、一つでも多く勝つことです」
といった、より具体的な言葉(数字)が出てきて
「ありがとうございました」で終了。

よく言えば「おさまりのよい」「無難な」、
悪く言えば「予定調和」「面白みのない」やりとりである。
あくまでこちらの経験ではあるが
そうではない、「おや?」と感じる答えが返ってきたとき、
何かをやってくれる期待と
その期待に適う結果が出る確率は、高い。

10月11日に
NBL2015-16シーズン開幕を迎える
バスケットボール・レバンガ北海道。

今季から指揮をとる水野宏太ヘッドコーチの
開幕戦直前の練習終了後の答えに「おや?」

「今シーズンの目標は?」―「闘うことです」

2016年秋からの新リーグ「Bリーグ」で
1部参入が決まっているレバンガは、
その参入基準を維持するために、
今季は身の丈にあった、といえば聞こえはいいが
制限された予算内でのチーム運営を余儀なくされる。
ゆえに「現実的な目標はプレーオフ進出ですね」…という
こちらの「予定調和」を、彼は否定する。

「具体的な、数字で示せる目標を設定すると
必ずそこを下回ります。
『限界を、自分たちで定めないで闘う』、
それが最低限の目標ということになります。
今までだって、プレーオフ進出が目標、と言っていて、
一度も実現していないという事実があります。
具体的な数字を持ち出すなら、
あえて優勝とか、ファイナル進出とか、トップ4とか出せますが、
実際には、そうしたものに挑戦するに値するチームであり続ける、
ということになります」

限界突破③.jpg

限界なんて、いつも目の前にぶら下がっているものだ。
そこを、いつでも突破する。
具体的ではないが、抽象的でもない。
自分たちを客観視し、状況分析を十分にした上で、
数字で表現する以上の「実行のイメージが湧く」目標。
「実現性への距離感が適切」
とでも表現すればいいのだろうか。

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真のプロリーグが始まる来年秋から、
日本のバスケットは新たな時代に入る。
今季は、その移行に費やす期間とも、準備期間とも言われる。
だからといって「無為に過ごしていい時間」ではない。
むしろその逆。
「新時代に期待を持ってもらうためのものを示すシーズン」だ。
今季のチームのスローガンは、その意志を示す上で適切だと思う。

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「限界突破」。

1年後、トップリーグにふさわしいチームと、ホームタウンであるためには、
私たちの「観戦力」のハードルも上げる必要がある。
いつでも選手たちは「限界突破」に挑んでいるか。
心して、見届けていくことにしよう。

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