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2019.08.31 放送
特 集北海道のクリーニング最前線~あなたのセンタクは?~

Still0828_00000.jpg今週のMCは杉村太蔵さん。
コメンテーターは北海道大学大学院経済学研究院の平本教授。
今回のテーマは「クリーニング」。
総務省の家計調査を見ると、1世帯あたりの年間洗濯代の全国平均は5904円(2018年)。北海道の札幌市はやや高く6691円。この数字は年々縮小傾向で、ピークの1992年と比べると、3分の1以下。
年々縮小傾向にある市場で、クリーニング業界の取り組みに迫る。



Still0828_00003.jpg網走発祥のクリーンスター。札幌や旭川、北見などで45店舗を展開するクリーニングチェーンだ。札幌に進出したのは2007年。毎年2,3カ所の出店を積み重ね、今では全店舗の半数近い21店舗を札幌市内に構える。最大の強みは、朝預ければ、夕方には受け取れる「スピード」だ。店舗5~7店に対し1つの工場を置き、配送時間を短縮。工場内では、衣類の部分ごとにプレスできる小ぶりな機械を並べ、分業化を徹底。効率を重視した。スピードに特化するため、大手チェーンがしのぎを削る個人宅への集荷・配送サービスは、ほぼしない。


Still0828_00007.jpg出店場所にも狙いがある。幹線道路ではなく、そこから1本ずれた「生活道路」に面した立地にこだわっている。小島隆義社長は「クリーニングは『ついで』のお店。買い物や出勤のついでにうまくマッチする場所を探している」と話す。こうした戦略が客の支持を集め、売上高はこの10年で3倍に成長。10億円を突破した。現在の業績は好調だが、先行きは不透明と見ている。小島社長は「Yシャツとスーツだけのクリーニングから、多岐にわたってサービスを提供する時代に入っている。生活の利便性を高めるような複合的なサービスも必要」と話す。クリーンスターは去年からスニーカーのクリーニングを始めたという。

Still0828_00010.jpg中標津発祥で、創業69年のとみおかクリーニング。戦後まもなく着物の洗い張りで創業し、現在は、絨毯、布団、靴・かばんなどの特殊クリーニングも請け負う。いわばマチの万屋クリーニング店。ここ5年で、中標津のほか、旭川や札幌にも出店。9店舗を構え、年商はおよそ10億円だ。この売上高は今、過去最高を更新している。





Still0828_00013.jpg富岡裕貴社長は「厳しい環境にある。人口減はもちろん、カジュアル化や、繊維製品の機能の向上という流れの中で何が必要とされているか」と話す。目を付けたのが「家庭での洗濯」。2011年にオリジナル雑貨の製造を始め、4年前から札幌や旭川で直営店を展開している。






Still0828_00016.jpg売れ行きは好調で、今では売り上げの約15%を占める。道外や海外からの注文も多いという。店に並ぶ商品は1,000種類以上。そのうち20種類が、とみおかクリーニングオリジナルだ。一番の売れ筋はミルク缶に入ったオリジナル洗剤。累計販売数20万個のヒット商品だ。全面に押し出したのは「プロ仕様」。SNSなどで口コミはさらに広がり、部屋干しのにおい戻りや夏場の雑菌臭がないと、道内外から評判だ。こうした雑貨店事業が、ライフスタイルにこだわりのある30代から50代の女性客を掴んでいる。オリジナル商品の開発は、今後ますます事業の柱となっていく見込みだ。


Still0828_00020.jpgとみおかクリーニングが目を付けた家庭の洗濯という市場。富岡社長は「クリーニング需要は縮小傾向にあるが、家庭の洗濯量がそれほど減っているとは考えていない」と話す。景気が良ければクリーニング、不景気ならばコインランドリーが活況になる、と言える。現在も店舗数を増やし続けてているコインランドリーも取材した。





Still0828_00025.jpgことし5月に札幌にオープンした、バルコランドリープレイス南円山。グレーに統一され、清潔感溢れる店内には、大型の洗濯乾燥機など17台が並ぶ。運営するのは、首都圏を中心にコインランドリーを展開する「OKULAB」。北海道地区に出店するのは初めてだ。
コインランドリーは元々、自宅に洗濯機を持たない学生や単身者が主なターゲットとされてきた。しかし、家庭用洗濯機の普及率が100%となった現在では、主婦層の利用が最も多いと言われている。共働き世帯が増え、「手軽に早く、まとめて洗濯をしたい」という需要が増したためだ。


Still0828_00027.jpgコインランドリーで洗えるものは、羽毛布団のほか、カーテン・じゅうたんなど大型のものから靴までさまざま。クリーニングに出せば数千円かかる物も、1,500円前後で洗うことができる。
最大の特徴は、コインランドリーの横に、カフェが併設していること。東京のベーカリーに特注した天然酵母のパンに、マフィン、サンドイッチなどフードメニューだけでも約30種類。コーヒーなどのドリンクメニューも豊富だ。カフェはコインランドリー最大のデメリット=待ち時間の解消につながっている。


Still0828_00029.jpgコインランドリーの初期投資は、3,500万円から4,000万円ほど。業界では7,8年かけて回収すると言われるが、この店では3,4年と見込んでいる。上の階には、業務提携しているトランクルームも併設。洗った衣類や寝具をそのまま預けられる。オープンから4か月、稼働率は8割を超える。COOの松永修平さんは「コインランドリーは、損益分岐点が結構低いビジネスで、新しいお店もどんどん増えると見込んでいる。5年くらいかけて北海道に200店舗作っていきたい」と話す。



Still0828_00030.jpg縮小する市場で生まれるアイデアと工夫。消費者にとっては選択肢が広がっている。
番組の最後は杉村太蔵さんの「薄口」コメント。コメントのフルバージョンはYouTubeなどのSNSで公開中。
【取材先】「」は店名
クリーンスター、とみおかクリーニング、「とみおかクリーニングLIFELAB」、OKULAB、「バルコランドリープレイス南円山」